
こんにちは!たくみです。
前回の記事で、コーチングをこれから学ぶ人への基本的な考え方についてご紹介してきました。
(まだの人はこちらからどうぞ!↓)

そして今回は、実際に部下や後輩から相談を持ちかけられた場合、どのように対応すればいいのか。一からその手順をご紹介します!
話す前にまずどうすればいいのか、何を聞けばいいのか・話せばいいのか。
具体例をたくさん出して、実際の状況を想像しながらご説明していきます。
これを読めば実際の場面で役立つこと間違いなし!
では、始めます。
コーチングのテクニック
これから実際に相談を持ちかけられたと仮定して、その場面ごとに使うテクニックをお伝えしていきます。
始める前に
コーチングは、会話を始める前から実は始まっているのです。
会話を始める前に行うことは2つ。「コーチングすることを伝える」ことと「時間とスペースの確保」です。
仮に相手がクライアントであれば、目的はあなた(コーチ)との話し合いなので、この2つはあらかじめ分かっているでしょう。
しかし、相手が部下や後輩の場合、自分はどんな風に相談を聞くか、どこで話すか・どのくらい時間を取るか。これらが重要になってきます。
このお膳立て次第で、相手が相談する内容や展開にも影響してきます。
コーチングすることを伝えるとは?
話す前に、相談にきた部下(後輩)にあらかじめ伝えておきましょう。
例えば、


具体的に〇〇さんが頭を整理したり、問題を解決したり、アイデアを出しやすくするために、私は今回聞き役になって質問をしたり、感じたことを伝えます。
などのように。このようにあらかじめ話しておけば、相談に来た人は


あれ?□□さん何にも言ってくれない。こっちは真剣なのに。
などと、相手に不信感を持たれずに済みます。
時間とスペースの確保
相手は真剣な相談かもしれません。
それに応じるには、時間をきっちり取って(30~60分程度)、話に集中できる場所を確保しましょう。
また、場所を確保すれば座る位置も気を配る必要があります。
これは心理的な話になってきますが、座る位置は「相手から90度の位置」または「相手から斜めの位置」が、目線をずっと合わせる必要がなく相手が緊張を感じないと言われています。
まずは緊張をほぐしましょう【アイスブレイク】
いきなり話を始めては、相手も緊張してしまいます。まずは、雑談でアイスブレイクをしましょう。
このときに使えるのが「YESセット法」と言うスキルです。
(例)・今日は暑いですね。・最近良く雨が降りますね、など「返答がほぼ100%YESで返ってくる質問」
本来は商談時に使われますが、これが相手の緊張をほぐすのにも効果的なので、アイスブレイクでも使ってみましょう。
相手の抱えている問題を聞いてみよう【現状整理】
アイスブレイクで緊張がほぐれ、話しやすい雰囲気になったところでいよいよ本題です。
今回の相談内容、話のテーマを相手から聞きましょう。(最近気になっていること、解決したいことなど)
そして相手の相談内容(現状)を聞いて、その内容を深く掘り下げたり、曖昧になっている部分を明確にしていきましょう。
(例)


最近パッとしなくて…


パッとしないとは、どういうことですか?
などのように、より明確にしていきましょう。
問題を解決している未来を想像しよう【目標設定】
現状を具体的に把握できたら、次は「その問題を解決したらどうしたいか」目標を決めていきましょう。
これは具体的であればあるほど良い内容です。
問題を解決する→自分が変わる→周りの環境が変わる→あらゆる面でプラスになる。
理想の状態を想像して、そのイメージを共有しましょう。
イメージが具体的でポジティブであるほど、相手のモチベーションアップにつながります。
課題解決のための材料を探そう【リソースの発掘】
問題が解決した未来が見えれば、今度はその問題を解決するための材料集めです。
例えば、相手の相談内容(話のテーマ)が「同僚のA君との仲がうまくいっていない」だったとします。
その問題を解決するために、相手の過去の話を遡って聞いてみましょう。
・A君との関係が上手くいっていたときの話を聞いてみる(問題に対して直接的な材料)
・相談相手が過去に人間関係を良くするためにしていた方法について聞いてみる(全体的材料)
(例)


人と仲良くなるために、普段どんなことをしていますか?


飲み会の幹事をやったり、イベントでは司会や盛り上げ役をやったりと、とにかく楽しんでもらうことが好きですね!
相手に実際にやってもらおう【アクションプラン】
・問題を具体的にした
→それが解決したらどうなるか想像した
→解決するための材料も集めた
では最後は、それを実行してもらいましょう!
具体的な内容を相手に考えてもらい、さらにそれを実行した結果も報告してもらうようにしましょう。
具体的、と言うのは5W1Hのように、「何を」「いつまでに」「どんな風に」「どうするのか」など、チェック項目を作り具体案を出してもらいましょう。
コーチはここまで話を聞いてきましたが、最後には相手が実行しなければ問題は解決しません。
相手が自発的に行動できるように、具体的な計画を一緒に考えていきましょう。
以上がコーチングの流れです!
実際にやるとこんな流れです
これまでご紹介してきた流れでコーチングをするとどうなるのか。具体例を用いてご説明していきます!
流れを先におさらいしておくと、
①緊張をほぐすためにアイスブレイクをして
②相手の問題を聞いて現状整理して
③問題を解決したらどうなっていたいか目標を設定して
④問題を解決するための材料(リソース)を探して
⑤具体的な内容のアクションプランを決める!
でしたね。
この流れの通りにやってみます。
《状況:上司のB課長が部下のC君と話しています。B課長はどのようにコーチングするでしょうか。》
【アイスブレイク】


お疲れ様、今日は結構暖かくなってきたね。


お疲れ様です。そうですね、だいぶ暖かくなってきました。


昨日も遅かったんだよね?お疲れ様でした。
今日も忙しいのに時間取ってくれてありがとう。


昨日もいつも通りでした。
いえ、こちらこそありがとうございます。
【現状整理】
〜テーマを決める〜


この前君が悩んでたA君との関係についてだけどどうかな?
あれから進展はあった?


まだ何も解決していないんですよ。
〜話を具体化する〜


A君はいまどんな感じかな?


相変わらずですけど、彼はどうも僕のことが気にくわないようなんです。


「気にくわない」っていうのは具体的にどういうことかな?


他の同僚から聞いた話だと「俺の方が優秀なのに何でアイツばっかり評価されるんだ?」と言ってるらしいです。


そのせいで君が困っていることは?


A君は僕が忙しくても手伝ってくれなかったり、会話でものけ者にしてくるんです。僕もA君のいる場所を避けてしまっているので、他の人と仲良くなる機会を逃している気がします。
【目標設定】


A君との関係がどうなるといいと思う?


同僚として、自然にお互いをサポートしあえる関係になりたいです。


A君とサポートしあえる関係になったら、どんな変化が起こると思う?


会社に来るのが楽しくなるでしょうし、僕も彼と笑顔で話せると思います。それに、他の同僚ともいい情報交換ができそうです。


いい情報交換ができたらどうなりそう?


みんなと腹を割って親しくつきあえるようになるでしょうから、
他部署との連携も今以上にスムーズになるかもしれません。


いいイメージがたくさん出てきたね。それじゃあ目標は何にしようか?


いまお話ししたような環境を、半年以内に作ることです。
【リソースの発掘】


ところで、これまでA君とのコミュニケーションでうまくいったことってある?


彼があんな風になる前は、サッカーの話で盛り上がったこともありました。他には、彼は頼られるのが好きだから、仕事のことで相談したら喜んでましたよ。


そうなんだ、じゃあ今度は、君が人と仲良くなるために日頃使っている方法って何があるかな?


飲み会の幹事をするのが好きなんです。仲良くなりたい人を誘って、自然と距離を縮めることができますから。他には、自分が信頼してる相手には、ストレートに「尊敬してます」って言いますね。


なるほど、こうやって聞いていくと、仲直りのための材料はいろいろあるね。サッカーの話、仕事の相談。君自身の強みとしては、幹事役だったり「尊敬してます」とストレートに言うことだったり。
【アクションプラン】


仲直りのための具体的なプランを考えてみようか。
まず、目標として“A君と笑顔で話せて、自然にサポートしあえる関係になる”っていう話があったね。そのために、何から取り組むと良さそうか な?


まずは僕のほうから笑顔で話しかけてみたいと思います。彼を立てて仕事の相談をしてみます。


仕事の相談だね。いつまでに取り組みたい?


一週間以内に相談します。


どんな風に相談すると良さそうかな?


まずは明日から笑顔で挨拶するようにします。
それでしばらく様子を見て、タイミングを見計らいます。


その結果をどんな風に報告してくれるかな?


A君に相談したら、すぐ口頭で報告します。
〜1週間後…〜


B課長!A君と仲直りできました!
B課長のおかげです!


仲直りできてよかったね。
でも、私は何もやってないよ。それは全て、C君の努力の賜物さ。
これがコーチングの一連の流れです!長かったですね笑
これでコーチングの流れと、どのように質問していくのか・どのように相手自信に答えを出させるのか、分かっていただければ嬉しいです。
全体のおさらい・まとめ
これでコーチングの具体的手順のご紹介は終わりです!お疲れ様でした!
最後にもう一度、一連の流れを振り返っておきましょう。
①緊張をほぐすためにアイスブレイクをして
②相手の問題を聞いて現状整理して
③問題を解決したらどうなっていたいか目標を設定して
④問題を解決するための材料(リソース)を探して
⑤具体的な内容のアクションプランを決める!
以上です。是非参考にしてみてください。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!
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